「使徒職はみんなの役目です」:キリスト教の視点から
使徒とは、「送られる者」を意味します。初期キリスト教において使徒たちは、キリストから直接福音を託され、世界中にその良い知らせを広める使命を帯びていました。今日、この使徒職はすべてのクリスチャンに与えられた共通の責務とされています。エペソ人への手紙4章11-12節には、「彼(キリスト)は、ある人を使徒とし、ある人を預言者とし、またある人を福音宣教者とし、ある人を牧師と教師として与えられた。これは、聖徒を完全にするため、奉仕の働きを行い、キリストの体を建て上げるためである」と記されています。この記事では、すべてのクリスチャンがどのようにして使徒職を果たすことができるかを探ります。
1. 使徒職とは何か?
使徒職は、福音を伝え、教え、神の国を拡大する役割です。初期の使徒たちは、キリストの教えと復活の証人として活動しました。現代においても、この職務は変わらず、私たちは日々の生活の中でキリストの教えを体現し、他人に伝える責任があります。
クリスチャンとして、日々の生活の中でキリストの教えを体現し、他人に伝えるというのは、私たちの信仰を実践する基本的な方法です。ここでは、その具体的な実践方法をいくつか紹介します。
1. 言葉と行動の一致
キリストの教えを体現する最も基本的な方法は、私たちの言葉と行動が一致していることを確認することです。これは、「あなたがたの言葉はいつも恵みに満ちて、塩を交えて語りなさい」(コロサイの信徒への手紙4章6節)という聖書の教えに基づいています。日常生活での誠実な対応、公正な取引、他人への思いやりのある言葉遣いは、キリストの愛と教えを反映しています。
2. 積極的な奉仕
キリストは奉仕の精神を重んじ、「人の子は来たのは仕えられるためではなく、仕えるためであり、多くの人のために自分の命をあがないとして与えるためである」(マタイの福音書20章28節)と述べました。私たちは地域社会でのボランティア活動、教会での奉仕、隣人の支援などを通じて、この奉仕の精神を実践できます。
3. 寛容と赦し
キリストの教えの中核には、寛容と赦しの精神があります。「あなたがたが人を赦すならば、天のお父もあなたがたを赦される」(マタイの福音書6章14節)。日々の関係の中で寛容を持ち、過ちを赦すことは、キリストの教えを体現する強力な方法です。
4. 祈りと霊的な実践
キリスト教徒としての日常生活には、祈りと霊的な実践が不可欠です。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことに感謝しなさい」(テサロニケ人への手紙一5章16-18節)。日々の祈り、聖書研究、礼拝への参加は、私たち自身の信仰を深めるだけでなく、他人にもその重要性を示すことができます。
5. 福音の共有
最後に、キリストの教えを他人に伝えることは、私たちの使命の中心です。「だから、行って、すべての国の人々を弟子にしなさい…」(マタイの福音書28章19節)。友人、家族、同僚に対して自分の信仰体験を共有し、彼らがキリストの教えに触れる機会を提供することは、私たちが日々行うべき重要な実践です。
これらの実践を通じて、クリスチャンとしての生活は、周囲の人々に対して肯定的で変革的な影響を与えることができます。日々の小さな選択が積み重なり、キリストの教えを広める大きな力となるのです。
2. 使徒職の普遍性
使徒職は、特定の教会のリーダーや牧師だけのものではありません。マタイの福音書28章19-20節に記されている「すべての国の人々を弟子としてつくり…」という大宣教命令は、すべての信者に与えられた命令です。これは、私たち一人一人が、自分の立場でキリストの証人となり、福音を広める使徒としての役割を担うことを意味します。
3. 使徒職の実践方法
使徒職を実践するには、以下のような具体的な方法があります:
- 福音の共有: 日常会話やSNSを通じて、キリストの教えや個人の信仰体験を共有する。
- 奉仕の精神: 地域社会でのボランティア活動や支援グループの組織化を通じて、キリストの愛と奉仕の精神を実践する。
- 教育と訓練: 聖書研究や教会の教育プログラムに参加し、自らを養成し、他者を教える能力を高める。
- 祈りと霊的支援: 個人やコミュニティのために積極的に祈り、霊的なサポートを提供する。
4. 使徒職の果たす役割
使徒職を果たすことは、教会の成長に不可欠です。私たちが積極的にキリストの教えを実践し、伝えることで、より多くの人々が福音に触れ、キリストの体、すなわち教会が建て上げられます。「あなたがたは光の子、日の子です」(テサロニケ人への手紙一 5章5節)。このように、私たちは世界における神の光として機能し、暗闇の中で希望を提供する使命を持っています。
結論
使徒職は、全てのクリスチャンが受けるべき呼びかけです。私たち一人一人が積極的にこの職務を果たすことで、私たちの信仰はより深まり、社会に対してもより大きな影響を与えることができます。私たちがどのような状況にあっても、使徒としての役割を果たすことで、神の愛と救いのメッセージを世界に広めることができるのです。