近年、正社員ではなく派遣社員を選ぶ人が増えています。その理由の一つとして「派遣社員のほうが年収が高くなるケースがある」ことが挙げられます。
「正社員の方が安定しているし、年収も高いのでは?」と思う方も多いでしょう。ですが、実際には派遣社員のほうが収入が多くなるパターンも存在します。
今回は、派遣社員のほうが年収が高くなる理由や、具体的なケースを詳しく解説していきます。
1. 正社員 vs. 派遣社員の年収の違い
まず、正社員と派遣社員の給与体系の違いを整理しておきましょう。
正社員の給与体系
固定給(月給制)
ボーナス(賞与)がある場合が多い(企業による)
昇給・昇格があるが、初期給与は低めなことも
残業代は「みなし残業」や「固定残業代」が適用される場合あり(実際の残業時間に見合わない可能性も)
退職金や福利厚生が充実していることが多い
派遣社員の給与体系
時給制が基本(働いた分だけ収入になる)
ボーナスはないが、時給が高いケースがある
残業代は100%支給される(派遣会社の規定により割増もあり)
交通費が支給されるケースもある
契約更新ごとに時給アップの可能性あり
2. 派遣社員のほうが年収が高くなるパターン
パターン①:時給が高めに設定されている派遣の仕事
例:事務職(正社員) vs. 事務職(派遣社員)
雇用形態 | 給与体系 | 月収 | 年収(ボーナス込み) |
---|---|---|---|
正社員 | 月給 22万円 + ボーナス(年2回)30万円 | 約22万円 | 約314万円(22万×12ヶ月 + ボーナス60万) |
派遣社員 | 時給1,500円 × 8時間 × 20日 | 約24万円 | 約288万円(24万×12ヶ月) |
この場合、年収は正社員の方がやや高めですが、派遣社員の時給が1,700円になると年収が326万円と逆転します。
パターン②:残業が多い職場で、派遣社員は残業代が100%支給される場合
例:時給1,500円の派遣社員が月30時間残業する場合
1,500円 × 1.25(残業手当) × 30時間 = 56,250円の追加収入!
これが毎月あると、年間 67.5万円 の上乗せになります。
正社員は「みなし残業」があると、残業しても収入が増えないケースが多い。
派遣社員は働いた分だけ確実に支払われるので、残業が多いほど収入が増える。
パターン③:派遣の仕事を掛け持ちできるケース
派遣社員はダブルワーク(副業)が可能な場合が多いため、本業+副業でトータルの年収を上げることが可能です。
例えば、平日は派遣でフルタイム勤務、土日に短時間のアルバイトをすると、年収が大幅にアップします。
パターン④:短期派遣の高時給案件に就く場合
短期の派遣業務は、一般的に時給が高く設定されていることが多いです。
例:短期派遣の高時給案件
- 時給1,800円 × 8時間 × 20日 = 月収28.8万円
- 年間にすると345.6万円(ボーナスなしでも高年収!)
長期間の正社員より、短期派遣の方が時給が高い場合がある!
パターン⑤:ボーナスがない正社員 vs. 高時給の派遣社員
ボーナスがない正社員の場合、月収が低めに設定されていると、派遣社員の方が稼げることがあります。
例:正社員(ボーナスなし) vs. 派遣社員(時給制)
雇用形態 | 月収 | 年収 |
---|---|---|
正社員 | 24.5万円 | 294万円(ボーナスなし) |
派遣社員 | 1,500円 × 160時間 | 288万円(ボーナスなし) |
このケースではほぼ同じ年収ですが、派遣社員が残業すれば年収はさらに増えるため、最終的に派遣のほうが高年収になる可能性大!
3. どちらを選ぶべきか?
収入重視なら派遣社員の方が有利
安定を求めるなら正社員
将来のキャリアパスを考えるなら、正社員で経験を積むのもアリ
派遣社員としてスタートし、良い職場なら正社員登用を目指すのもアリ
4. まとめ
「正社員 = 高年収」は必ずしも正しくない
派遣社員の方が時給が高いケースは多い
残業代が100%支給される派遣社員の方が有利な場合も
短期派遣やダブルワークで収入を増やすことも可能
長期的なキャリアを考えるなら、派遣から正社員への道も視野に
「年収アップ」を重視するなら、派遣社員の働き方を検討してみる価値は大いにあります!
以上、正社員と派遣社員の年収比較について詳しく解説しました。派遣社員でも、しっかり戦略を立てれば正社員以上の年収を得ることが可能です。自分にとって最適な働き方を選びましょう!